伝説のテクノロジー
松料理
松料理家・村松一男さん、美穂さん
松料理試食会に全国から要望
松を使う料理のメニューはどんどん増えていったが、あくまでも趣味のようなもの。2人でつくっておいしければ、それでいいと考えていた。
ところが2021年、長野県の駒ヶ根市で仲間と共に「松フェス」というイベントを開催し、松に触れ、「松を食べる、飲む、知る、育てる、守る、感謝する」をコンセプトに、松スイーツや松グッズのマルシェ、松葉詰め放題などを行い、その中で松を使ったお弁当の販売もした。結果は大好評だった。
「松がこんなにおいしく食べられるなんて」と感激した人が大勢おり、フェスの後も村松さんたちのもとに「フェスには行けなかったけれど、話を聞いたので私たちも食べてみたい」という要望が舞い込んだ。これに応えるために2人が始めたのが「松フード試食会」だった。
「正直いうと、試食会を開いてほしいという要望も、一過性のものだと思っていました。ところが3年近く経った今も、各地からご要望をいただいています」(一男さん)
試食会に参加するのは女性が多かったが、今は4分の1が男性ということもあるそう。村松さんたちの主催ではなく、各地で松の効能の素晴らしさに気づいた人たちによる主催で開かれる。提供するメニューもやはり家庭料理。ただし肉などは使わずヴィーガン(完全菜食)料理としている。ヴィーガン料理を出すのは、参加する方が宗教、思想、病気など制限があっても安心して誰でも食べられるようにという配慮からだ。