One Hour Interview
カロテノイドの機能を評価し、作用メカニズムの解明を目指す
菅原達也
作用メカニズムの解明が課題
カロテノイドは皮膚に塗っても皮下までに浸透しないという議論があります。効果があるとしたらその作用メカニズムがひとつの課題になるのではないですか。
作用メカニズムの解明は本当に難しい課題です。どこまでやれば解明できたと言えるのか。できるだけ突き詰めていきたいとは思うのですが、ある意味で終わりがないようなところがあるのです。効果があったということでは終わらず、なぜ効果があったのかというそのメカニズムを解明できなければ、僕たちの研究には意味がない。だからその解明を求めているのですが、なかなかそこまでいけないのが実情です。
ただ、経口摂取したアスタキサンチンがちゃんと皮膚まで到達していることは、すでに確認しています。経口摂取したアスタキサンチンが皮膚から検出されていますし、それが真皮ではどれくらいの量で、表皮ではどれくらいというところまで僕たちは見ています。もちろんそれは人間ではなくネズミを使っての確認ですが、食べたものが皮膚まで届き機能していることは僕たちが明らかにしています。
メカニズムの完全な解明は難しいということですが、カロテノイドが血管新生を抑制するメカニズムはある程度分かっているのでしょうか?
細胞の中でどういうことが起きているのか調べると、増殖因子の発現に差があることが分かりました。それによって血管新生を促進する動きが抑制されることは確認できていますが、もっと突き詰めて受容体のどこにくっついているのか、というところまでいくとまだ確認できていません。