One Hour Interview
セルロースから液晶材料を創製
再生可能な資源のセルロースから、新しい機能を持つ液晶材料を作ることに成功。その研究をさらに発展させ、古海誓一さんは実用化を視野に入れた応用研究を進めている。
古海誓一
東京理科大学
理学部第一部応用化学科
准教授
新型コロナの影響でいつも以上に多忙
新型コロナウイルスの感染拡大により、今回は取材をオンラインで行っていますが、大学の授業もやはりオンラインですか。
はい、今はすべてオンラインです。今年の新入生には、一度も大学に登校していない学生も多いのではないでしょうか。
オンラインで授業を進めるのは大変ですか。
授業そのものもそうですが、授業を行うための準備が大変です。というのも、授業を撮影して録画しておかなければならないからです。私の場合、従来の授業では板書していたものを全部スライド化しているのですが、文章や数式、さらには図もスライド用に作り直す必要がありますし、撮影自体もともと素人ですから一苦労です。当然間違っている部分もあったりするわけで、そうすると訂正のテロップも作らないといけないし、もちろん編集作業もしなければなりません。試行錯誤の毎日です。授業の後では学生の理解度を深めるため課題を出し、その評価も必要です。1回の授業を行うため、丸1日以上の準備時間が必要になります。
コロナ禍で先生たちの負荷は従来以上に重くなっているということですか。
それは間違いなくそうだと言えます。オンラインの授業に不満を言う学生もいますが、教員は確実に例年以上に頑張っていますし、忙しいのが実情です。そこは学生にも保護者の方々にもぜひ、理解していただきたいと思います。
学生が登校できないと実験などはどうしているのですか。さすがに実験はオンラインというわけにはいきませんよね。
私の研究室に所属している学生15人は登校しています。ただし、三密を防ぐため、一つのグループは午前10時から14時まで、もう一つのグループは14時から18時までというように分けています。一人の学生が研究室にいるのは最長でも4時間程度に制限しています。都内にある大学なので、学生の通学時間がラッシュアワーの時間帯と重ならないようにも配慮しています。とにかく研究室から新型コロナウイルス感染者を出さないことが重要で、そこは細心の注意を払っています。