One Hour Interview
新しい機能性を持つ次元制御型集合体の開発にチャレンジ
古賀大尚
研究が楽しくて仕方がない
先生の研究がうまくいけば、将来は付箋のように薄くてペラペラの電池ができると考えていいのでしょうか。
それを目指しています。スマートフォンなどのように電子機器がどんどん小さくなっていったとき、電池をどう入れるかという問題があります。紙の電池ができれば、ほんのわずかなスペースに入れることができるようになるはずです。紙1枚分では容量が小さく長持ちしないというのであれば、何枚か積み重ねればいい。そういうデザインのフレキシブルなところも紙ならではの特徴です。ペーパー電池の量産が可能になり、新しい紙産業が立ち上がればいいなと、そういう夢は持っています。
特任助教というのは、どういうポジションなのですか。
特定のテーマによる研究が専門で、講義を持たずに研究に専念できる立場です。任期付きなのですが、もちろんその後は、さらにステップアップしていきたいと思っています。
研究は楽しいですか。
楽しいですね(笑)。こんなに楽しいことが仕事でいいのかと思うくらいです。だからオンとオフの切り替えがあまりなく、いつも頭のどこかで研究のことを考えています。こういう研究者の方は多いのではないでしょうか。山登りとか映画を見るのも好きですが、やはり研究はこれからもずっと続けていきたいですね。
大阪大学 産業科学研究所 セルロースナノファイバー材料分野 特任助教 古賀大尚[こが・ひろたか]1981年、福岡県出身。九州大学農学部卒。同大学院生物資源環境科学府森林資源科学専攻修了。博士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科・日本学術振興会特別研究員を経て、2012年4月より現職。研究はここまで順調にきたが「もちろん失敗は何度もしています。でも失敗しているときに考えて、次のアイデアが浮かぶことも多い」という。
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