One Hour Interview
化学の視点から、二次電池材料を開発
𠮷川浩史
空孔の大きさと電池特性の相関を精査
いただいた資料に「これまで開発してきたin situX線吸収微細構造(XAFS)分析」とありますが、解析方法も開発されてきたのですか。
電池反応を解明する方法がin situX線吸収微細構造分析です。今は海外も含めて電池を研究している人ならたいてい使うポピュラーな手段になっていますが、2007~2008年頃、私がまだMOFとは別の材料について研究していた頃はあまり使われていない方法でした。その頃は自分たちで測定できるような電池セルを開発するところからやらなければなりませんでした。旋盤などを使って実際にセルをつくったりしていたのです。そうやって初めて反応機構を解析できたときは無茶苦茶うれしかったですね。もう10年以上前のことです。8年くらい前に論文を書いたときは「超還元」という言葉を使っていました。
こういうものは特許にならないのですか。
いくつか特許は取っています。
これも資料にあることですが、大きな表面積を持つことが電池容量に繋がるのですか。
これは最近明らかになったことで、空孔体積が非常に重要なんです。孔の大きさと言ってもいいですね。孔の小さいMOF、あるいは孔のないMOFを用いても電池特性は得られません。孔のないMOFでは酸化還元反応すら起きません。こういうことを精査した人はこれまでいませんでしたが、私たちは空孔の大きさと電池特性に相関があることを明らかにしました。これは新しい材料を探索するうえでとても重要な知見だと思っています。