ハリマ化成グループ

次代への羅針盤

次代への羅針盤

安全で安心して暮らすための長寿社会づくりを

住田裕子

新しい社会づくりをライフワークに

 日本はすでに4人にひとりが65歳以上の高齢者。これを見据えた新しい社会システムづくりが重要ではないでしょうか。私はそのために2010年、NPO法人長寿安心会を設立しました。日本人の平均寿命は今や男性80歳代、女性は90歳代にも手が届きそうです。人生二毛作から、三毛作の時代です。

 そういう中で、私自身も高齢化しつつあり、介護問題も現実的になってきています。私の母は、実家で一人暮らしなのです。都会に住む人々が離れて住む高齢の親との関係をどうするかと考えたとき、長寿社会で、安心に安全に暮らすための社会づくりをライフワークにしようと思い立ち、NPOを立ち上げたのです。

 長寿安心会では、健康寿命を延ばして、年を取っても元気に、楽しく活躍できるよう、3つのキンを合い言葉に、広報活動をしています。3つのキンとは、筋肉のキン、お金のキン、ご近所さんのキンです。すなわち、運動により身体能力の衰えをできるだけ防止すること。経済面では、しっかりとしたライフプランと、消費者被害の防止。そして、大切なのは、人間関係、人との絆です。精神の活力は、免疫力のアップにつながります。できるだけ人と交わり、心を通わせること。おしゃべりをして、笑い合おう、ということなのです。高齢化すると、つい引きこもりがちになり、いっそう衰えるという悪循環に陥ってしまうのです。そうすると、悪徳業者の魔の手が伸び、被害者にもなってしまいますから。孤立しがちな生活から脱却しよう、ということで、東京の墨田区では、寄り合い所の設立と運営にも参加しています。

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